妊娠しているとわかったら
妊娠中は必ず1回は歯のクリーニングを受けてください
それはなぜかというと・・・
妊娠初期はつわりなどの影響で
しっかり磨くことができず
妊娠性歯肉炎や妊娠性歯周炎を起こしやすくなっています
歯肉炎や歯周炎のことを総称して歯周病と言われている歯茎の病気になりやすくなります
《顎の骨を溶かす歯周病菌》
歯周病が進行しても自覚症状はありません
進行したまま放置していると歯茎から膿が出たり顎の骨が溶けてしまいます
自分の歯は一生に1本しか生えてこない自分の体の一部です
その自分の体の一部がなくなってしまうにもかかわらず
悪くなってから歯科医院に受診するということが
日本の歯科医療では起こっています
日本人の歯を失う原因の第1位は
顎の骨が溶ける歯周病
顎の骨が溶けやすいP.g菌という歯周病菌の夫婦間の感染率は
30〜70%と言われています
今まで歯周病ではなかったのに相手から歯周病菌が唾液感染し、自分も歯周病になってしまうことがあります。そして夫婦で感染し、子供に重度歯周病菌を唾液感染させてしまうという家族感染が起こっているのが現状です。
P.g菌とは?
ポルフィロモナス・ジンジバリス
歯周病原因菌であるジンジバリス菌(Pg菌)とは
ポルフィロモナス・ジンジバリスの略で
レッドコンプレックス(歯周病を重症化させる3菌種)の1種です
歯周病を悪化させる歯周病菌には以下の細菌が存在します
- Porphyromonas gingivalis(ポルフィロモナス・ジンジバリス)
- Treponema denticola(トレポネーマ・デンティコラ)
- Tannerella forsythensis(タネレラ・フォーサイセンシス)
それぞれP.g菌、T.d菌、T.f菌と略されることが多いです。
P.g菌は、慢性歯周炎の原因菌
慢性歯周炎患者さんの歯周ポケットから、高頻度で検出されます。
付着する能力が非常に強く、バイオフィルム(歯の表面のネバネバ)の形成する。
また、P.g菌の内毒素は、骨を溶かす作用があるだけではなく、口腔内で悪臭を放ちます。
歯周病の悪臭は、このP.g菌の内毒素が関与しています
- 慢性歯周炎の原因菌
- 強力な付着力
- 内毒素は悪臭を放つ(口臭の原因)
妊娠中の方の血管から歯周病菌は胎盤を通過します
妊娠中の方は歯周病ケアをしっかりおこないましょう!
なぜかというと・・・
歯茎の中に入り込んだ歯周病菌は
歯茎の毛細血管に流れ全身に広がります
歯周病菌が歯肉の血管内に入って、血流とともに全身を巡り羊水内に入り込み、胎児の成長に影響を与えたり、子宮の異常収縮を促すと言われています
妊娠時には、胎盤でエストロゲンと呼ばれる女性ホルモンが多量に分泌され、そのエストロゲンが口の内に移ってくると、それを好む歯周病菌が増えてしまいます
P.ジンジバリスと呼ばれる歯周病菌が歯茎の毛細血管に入り込み全身に流れ子宮に移って、免疫細胞が過剰反応を起こすと、それが影響して早産や未熟児の原因になると言われています
P.ジンジバリスという歯周病菌は親しいパートナーから唾液感染し夫婦間での感染率は30〜75%と言われています
かなり高い確率です
歯を失うとこのようなサイクルで
人間の歯はなくなっていきます
歯の寿命が短くなっただけでなく
体の健康寿命も短くなるという負のスパイラルが起こり始めます
世界と日本の残存歯数の違い
世界一虫歯予防しているスウェーデンは定期健診受診率90%
80歳で歯が残っている本数は平均で20本(28本中)
日本の定期健診受診率は2%
80歳で歯が残っている本数は平均で8本(28本中)
ほとんど歯が残っていません
妊娠中の歯周病でいきなり歯を失うことはありませんが
つわりなど落ち着いたら歯医者さんで歯のクリーニングを受けていただくことをお勧めしています
歯のクリーニングは妊娠中ならいつでも可能です
まずは、問診で妊娠期間や体調を確認します
問題ないことが確認できましたら
歯科衛生士が歯茎の状態を確認して歯のクリーニングをしていきます
妊娠中でも歯のクリーニングは全く問題ありません
歯をチェックしていて
虫歯が見つかった場合は治療するかどうかは相談しながら決めていきます
ご出産後も当院で歯の健康を守るサポートをさせて頂きます
ご家族みんなの歯を大切にするアーブル歯科で虫歯予防しよう!